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笑説は事実より喜なり

笑説家 ヤマウチツヨシ/ガッカリさせない期待に応えて 素敵で楽しい いつものブログを見せる予!定。(BLOGで起こせよムーヴメント)

怪談ブログ「稲川淳二の超こわい飲食店」【後篇】

 

▼前篇はコチラ▼

www.monoii.net

 

ま~続きなんですけどね。

もうね、諦めたんですよ。コイツには何言ってもダメだなって。

だから逆に開き直って、暖かい目で見守ってあげようと思いましてね。悪い奴じゃないですから。

それにせっかく来たことだし、Мくんの店をSNSに投稿しようかな~なんて思ったわけですよ。

携帯を取り出しながら「お前の店を宣伝してやるよ。お前もちゃんと営業しろよ~」なんて軽く話しかけたら、突然Мくんがキョロキョロ辺りを見回しながらこう言ってきた。

 

『いや、こう見えてもうちの店は女性客の方が多いから~』

 

 

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こう見えてもと言われましても、ね。

こう見えた状態で何も判断しようがない、ね。

普通ね、今日のお客様が比較的"男性客が多い"時とかに「こう見えても普段は女性客が多いんだよ」って感じで「こう見えても」を使うわけですよ。

だけど今日はさ、アタシたち以外に客がいない。それにアタシたちは男3女3で来てる。

だから瞼をこすってあたりを見渡しましたよ、誰か他にいるんじゃないかって。

だけど、やはりだ~れもいない。

「うわ~ヤダな~、気持ち悪いな~」と思いながらもМくんの女性客が多いって話に合わせてやろうと思いましてね。

「じゃあ6対4くらいで女性が多いんだ?」って男女比率を聞いてみたんです。

 

そしたらね・・・

 

 

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Мくんは、こう言ったんだよ!

 

 

 

 

 

『いや、10対0だよ!』

 

 

 

 

 

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コールドゲーム成立!ゲーームセット!!

 

 

 

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ァァァアアアアアアアアアアアアアァァァーーー!!!!(サイレン)

 

 

 

俺たちの夏が、終わった・・・

 

 

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ってそんなワケあるかーーーい!!!

 

ここは高級エステサロンかーーーい!!!

 

それとも高級ネイルサロンかーーーい!!!

 

もしくはスザンヌ講師のヨガ教室かーーーい!!!

 

女性客10割の飲食店なんか無理だろーが!

スターバックスでも

サーティワンアイスクリームでも

すげーオシャレなパンケーキ屋さんでも男子禁制じゃねーぞ!

それに今アナタの目の前にいる男3人はどうなるんだよ。

カウントすらされないのか!

さすがに本当に怖くなってきてね。もうここからМくんに対する気持ちは不信感しかありませんよ。

も~う急いで帰ってやろうかと思っちゃった。

でもね、ま~友達です。腐っても友達です。それにお金も払います。

味は普通に美味しいんです。だから、食べるわけですよ。

それでね、黙々と食べているとね、一緒に店に来てくれたJくんって友達がМくんに話しかけた。

 

「このぽん酢タレにさ、カボスとか絞ったらさらに美味しくなるんじゃね?」

 

このJくんはね、Мくんよりも圧倒的に長~い調理経験がありましてね。

ハッキリ言ってスキルは断然の違いがあるわけですよ。だから少し意見といいますか提案をしたわけですよ。

このぽん酢のタレにひと工夫を加えてみないかって。

するとМくん、首を縦に深く頷いている。

アタシはちょっとビックリしましてね。

こういう奴に限ってチンケなプライドがありそうだから、少し怒るんじゃないかな~とも思ったんだけど、しっかりと意見を聞き入れる姿勢があって好感を持ちましてね。

向上心を持ってちゃんとやっているんだって。その姿勢を感じ取ったJくんは続けてこう言うんです。

 

「ちょっと試してみたいから、何か柑橘あるかな?」

 

すると一瞬、困ったような顔をしたんです。

ここでね、この日最大のいや~な予感がしたんです。

この顔をする時は昔っからとんでもないことが起こるんですよ。

 

すると少しの沈黙の後、Мくんが重い口を開きましてね・・・

 

 

こう言ったんだ!!

 

 

 

 

 

『アッ!田中さんからお歳暮でもらったブドウがあるよ!』

 

 

 

 

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ブドウは柑橘じゃねーーよ!!!

 

しかもただいまの季節、8月だろーーが!!!

 

お歳暮でもらったんなら100%腐ってんじゃねーーか!!!

 

絶対に夏の元気なご挨拶でもらったお中元だろーーが!!!

 

もしも「のし」にお歳暮て書いてあったなら、

田中さんを今すぐここに呼んでくれーー!!!

 

プリンセスポークの特徴もわからなければ、柑橘の種類もわからない。

さらに、季節の贈答品の名前もわからないとは。

もうね、アタシもさすがにこれは声を大にして、指を差しながら馬鹿にした口調で言ってやりましたよ。

 

「お前ね、柑橘わかってねーだろ?わかってるなら持って来いよ」

 

 

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するとМくんは無言で厨房に走って行った。

もうね、これは賭けでした。アタシも勝負に出ましてね。

絶対に柑橘を持ってきてくれるって信じて、柑橘がわかってるって信じて、馬鹿にした口調で言ったんですよ。

アタシは頭の中で唱えました。

 

「頼む~頼む~柑橘わかってくれ~~ナンマイダブナンマイダブ~~」

 

 

怖い話

 

 

気づけば何度も繰り返していた。

そしたらね、厨房で聞こえていた慌ただしい音がピタッと止んだ。

するとМくんが厨房から勢いよくダダダダーって走ってきて、

アタシの前にピタッと来て、

 

こう言ったんだ・・・

 

 

 

 

 

 

『あったよ!トマトがあったよ!』

 

 

 

 

 

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トマトも全然柑橘じゃねーぞおおおおおおおお!!!!!

 

もっと遠くなってるぞおおおおおおおお!!!!!

 

もう始めっから「ない」って言えやああああああああ!!!!!

 

恐らくМくんの考えでは、

「柑橘」⇒「みかん」⇒「甘い」⇒「ブドウ」×

「柑橘」⇒「みかん」⇒「甘酸っぱい」⇒「酸味」⇒「トマト」×

と連想していったんでしょう。

 

その時にね、あたし気づいちゃったんですよ。

嗚呼、こいつがホンモノのバカなんだなって。

 

P.S. ちなみに後日、Мくんに聞いた話だと、プリンセスポークはオヤツにバームクーヘンを食べるらしい。 スゲー!!てか、その情報を最初に教えろって!